影の色
絵の具がチューブ式になり、画家が調合をする手間がなくなったことで、
絵画は屋内だけでなく外で描く流れが生まれました。
外で絵画を描き始めた画家はあることに気がつきました。
「ちょ待てよ!影の色って青くね!?」
と言ったかは定かではない(言っていない)
それまで影の色は地色をそのまま暗くした、
黒っぽい色というのが常識でした。
屋外には太陽の光以外にもうひとつ光源があります。
答えは空です、青い空。
直射日光が当たってない影の部分にも、
空を覆い尽くす空の青い光が映り込むんでいたんですね。
この発見により絵画は色鮮やかになりました。
美術史に関心がある人なら知っているでしょう、印象派絵画の起源です。
その辺の事情をすっ飛ばして、影の色は青っぽくなる
ということは講座で良く見かけるので知ってる人も多そうです。
実際に影が全部青くなるかといえば、そんな単純なことではなくて
わたし自身壁にぶつかっていましたよ、ええ。
かくかくしかじかで色々と勉強した甲斐があり、
ようやく影の色の正解を理屈立てできて止まっていた絵が先に進みそうです。
やっと、自分背景描けるよ!
と言っても許されるスタートラインに立てた気分。
背景を描くというのは物理現象の当たり前を描くことだと、あるイラストレーターが仰ってました。
口にすると一言だけど、とてつもなく奥が深い深淵を覗き見た気がする・・